コラム

VOC分析とは?
導入メリットや注意点をわかりやすく解説!

コンタクトセンターサービス

顧客に提供している商品やサービスの反応をはかるためには、VOC分析が有効です。 しかし、顧客の意見を収集する方法や、分析結果の活用方法がわからない方は多いのではないでしょうか。

この記事では、VOC分析をこれから検討される方に向けて、VOCの収集方法や分析に必要なツールと仕組み、分析を実施するメリット、分析で得られた結果の活用例を解説します。ぜひお役立てください。

1.VOC分析とは

VOC分析とは、顧客の意見や声を収集・分析して企業活動に活かす分析手法です。 VOCには、求められている商品やサービス改善のヒントが詰まっていると言われています。 VOCの収集・分析に役立つツールが市場に普及してきたことで、多くの企業がVOC分析に取り組むようになってきました。 VOC分析は他社との差別化に有効な手段の一つであり、マーケティング戦略を練る上でも欠かせない取組みとなっています。 VOCについては以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。

2.VOC分析の収集方法

VOCの収集にはいくつかの手段や方法があります。ここではまずVOCを収集する代表的な手段を解説します。

コールセンター

コールセンターは、顧客からの問い合わせやクレームなどのお電話を受け付ける部門です。コールセンターに電話をかける顧客の多くは、今まさに困っており、解決策や回答を強く求めている状況です。そのため、 お客さまのご不満・お困りごとに傾斜した意見が多く蓄積される傾向があります。これらのVOCを分析することにより、企業は商品やサービスについて優先して改善すべき点に気づくことができます。

アンケート調査

お客さまのご不満・お困りごと以外の 幅広い意見を収集するには、アンケート調査の実施が効果的です。 顧客の意見はサービスの利用開始の前後、世情によっても変わっていくため、アンケート調査は一度限りではなく、定期・不定期で実施することをおすすめします。

アンケート調査の際は、回答率を高めるための工夫が必要です。 質問が多すぎる、手続きが面倒などと顧客に感じさせると、VOCの収集効率が下がってしまうため、注意が必要です。

SNS

TwitterやInstagramなどのSNSから収集できる顧客の意見を活用したVOC分析も多くの企業で取り組まれています。 SNSは匿名であるため、顧客の潜在的なストレートな意見を集めるのに有効です。 対象データが膨大になるため、一般的には自社製品・サービス名でSNSを検索し、関連するキーワードで絞り込んで収集したVOCの分析が行われています。

メール・チャット

VOCの収集には、メールやチャットも用いられます。メールやチャットでVOCを収集するメリットは、 テキストデータをそのままVOC分析ツールに蓄積でき、取りこぼしを防げる 点があげられます。さらに、比較的、文法規則に沿った文章が残されているため、分析しやすいテキストデータとして残されている点もメリットでしょう。 企業の公式メールアカウントやSNSアカウントを開設し、いつでも顧客からのメッセージを受け取れる仕組みを作りましょう。

市場調査

アンケート調査と合わせて、市場調査も実施することで客観的な意見を収集できます。アンケート調査で得られる意見は自社商品、サービスに関わった顧客からの意見に偏りますが、 市場調査では、自社商品に関わらない一般消費者の意見も収集できます。 市場調査には、街頭調査やリサーチ会社への依頼などの方法があります。

3.VOC分析を導入するメリット

ここでは、企業がVOC分析を導入するメリットを解説します。

顧客ニーズをサービス・商品に反映できる

VOC分析を実施することによって、顧客の顕在ニーズ・潜在ニーズがわかり、これまでになかったアイデアを得られるかも知れません。 顧客ニーズを理解し、新商品開発のヒントが得られれば、他社との差別化にもつながります。

売上アップが期待できる

VOC分析で得られる結果は、売上アップのために優先すべき施策を判断するための有効な指標にもなり得ます。商品開発やサービスの内容で迷ったときには、 VOC分析の結果を見ることで「喜ばれる商品・サービス」の方向性がわかり、顧客ニーズに寄り添うことができるようになります。

顧客満足度向上

顧客属性ごとのニーズがわかると、ピンポイントなマーケティング施策を打てるようになり、顧客満足度向上の効果も期待できます。いずれの場合においても、メリットを享受するためには、 柔軟に施策を打てる体制の構築が必要です。 現場や経営層に理解を求め、VOC分析を施策に反映できる体制を整えておきましょう。

CX、CX戦略、顧客ロイヤルティについては以下で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

4.VOC分析に必要なツール・仕組み

ここでは、VOC分析に必要なツール・仕組みを解説します。

VOC管理ツール

VOC管理ツールとは、収集した情報を、顧客の属性や特性区分毎に一元管理するツールです。顧客属性を分析する際には、既存のCRMと連携できると便利です。

コンタクトセンター

コンタクトセンターとは、電話やメール、チャット、SNSなど多くのツールを通じて顧客と接する部門です。コンタクトセンターには顧客の声がダイレクトに届きますが、VOCを正しく抽出するには、VOCの収集手段に合わせたシステム導入が望まれます。 最近では、お電話をいただくお客さまからVOCを収集する手段として、音声認識システムも広く利用されるようになってきました。

テキストマイニングツール

テキストマイニングツールとは、テキストデータから特定の単語や文節を抽出し、出現頻度や傾向などを分析するツールです。最近では、クラスタリングなど機械学習の機能を要したツールも用いられるようになってきました。

5.VOC分析の注意点

ツールを導入しても、想定していたVOC分析の効果を得られない場合もあります。そうならないよう、VOC分析を進める注意点を解説します。

分析結果は誰が使うのか

まず、分析した結果を使うのは誰か。想定した利用者がいるのであれば、その利用者が欲しい分析結果が得られるようなデータの収集・分析手法を選定しましょう。 分析の目的が明確でなければ、データを集めるだけで、誰も使ってくれない分析結果になってしまいます。 重要なのは、分析結果を使う想定の利用者に十分なヒアリングを実施しておくことです。

また、分析の目的に合わせて、コールセンターやSNSなど複数のチャネルからのVOC収集が必要になるケースもあります。前述の通り、コールセンターは緊急性の高い意見を集める際に適しています。SNSは様々な顧客属性の声を収集したい際に適しています。

施策を実施する役割部署とのコミュニケーション

分析はあくまで分析なため、 その分析結果を施策に反映する、また、分析結果をもって施策の優先度を検討するものでなければ意味がありません。 VOCを活用するためには、VOCの収集、分析、施策を繰り返し実施することが求められます。PDCAサイクルを回しながら、定期的にVOCの収集、分析に取り組みましょう。

6.VOC分析の活用例

すでにさまざまな業界でVOC分析を実施されています。ここでは業種別にVOC分析の活用例を紹介します。

保険会社

業務改善のために顧客の声を収集したものの、データ数が多すぎ、目検では確認できないことが課題となっていた保険会社の事例です。同社は課題を解決するため、VOC分析にテキストマイニングツールを導入。導入後は、 多くの意見を迅速かつ正確に分類でき、顧客の声として多かった「書類の書式の変更」、「駐車場の配置変更」などのサービス改善につなげることができました。

クレジットカード会社

コールセンターに寄せられる顧客の声を手作業で収集していたクレジットカード会社の事例です。同社は収集工程の簡略化のために、音声認識システムを導入して音声データのテキスト化に踏切りました。導入後は、 通話内容をオペレーターごとに分析し、「カードの退会」のお申し出を「慰留する」ための話し方を把握。これをコールセンター運用に周知・反映することで、経営効率全体の改善につなげています。

食品メーカー

ある食品メーカーでは、新発売した商品の人気が高すぎてソーシャルリスニングが追いつかず、VOC分析が難航していました。そこで、テキストマイニングツールを導入。導入後は、 分析の即時性を担保すると共に、ノイズを省いて対象商品のカテゴリーごとにVOCを整理できるようになりました。正しく顧客ニーズをつかむことによって、マーケティング施策にもVOC分析結果を反映できるようになりました。

7.まとめ

VOC分析は上手に実施すれば、顧客ニーズの把握に役立ち、売上アップや顧客満足度の向上に活用することが可能です。ただし、活用のためには「誰が欲しいデータなのか」の調査と「施策を担う部署とのコミュニケーション」がとても重要です。 これらに十分留意しながら、収集、分析、施策のPDCAサイクルを回してVOC分析を実施し、活用効果を上げていきましょう。

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