コラム

顧客ロイヤルティを向上させるためのポイントとは?
重要性が高い理由についても解説!

データドリブンマーケティングサービス【data circle】

顧客ロイヤルティとは、企業の商品やサービスに対し、顧客に愛着を感じていただくことを意味します。企業が安定的に売上を伸ばしていくためには、顧客ロイヤルティの向上は欠かせません。

この記事では、 顧客ロイヤルティ向上を実現したい企業の担当者に向けて、顧客ロイヤルティの概要や顧客ロイヤルティを高めるメリット、向上させる方法などについて解説します。 ぜひお役立てください。

1.顧客ロイヤルティの意味

顧客ロイヤルティとは、「顧客」と「Loyalty」を合わせた言葉です。Loyaltyは直訳すると「忠誠心」という意味があります。その名のとおり、 企業の商品やサービスに対して顧客が愛着や忠誠心を感じていただくことが顧客ロイヤルティです。 また、顧客ロイヤルティが高い顧客のことを「ロイヤルカスタマー」と呼びます。

2.顧客ロイヤルティのもつ二面性

顧客ロイヤルティには、「心理ロイヤルティ」と「行動ロイヤルティ」という二面性があります。「心理ロイヤルティ」とは、商品に対して感じる信頼や愛着のことを意味し、「行動ロイヤルティ」とは商品を購入したりサービスを契約したりといった実際に起こす行動のことを意味します。 「心理ロイヤルティ」が高まることで、実際のアクションである「行動ロイヤルティ」につながり、結果として「顧客ロイヤルティ」が高まるといった仕組みです。

3.顧客ロイヤルティと顧客満足度の違い

顧客満足度(CS)とは、「Customer Satisfaction(カスタマー・サティスファクション)」を略した言葉です。企業の商品やサービスに対してどの程度満足してもらえたかを表す指標として使われます。顧客満足度は、顧客が有していた期待を超える体験を受益した際に得られるとされています。

一方、顧客ロイヤルティは商品などに対する満足度ではなく、愛着や信頼などを示した指標です。 「顧客満足度が高い=顧客ロイヤルティが高い」というわけではありません。両者の指標は比例するものではないため、混同せずに別々の指標として測定する必要があります。

4.顧客ロイヤルティが重要な理由

近年、商品やサービスはコモディティ化が進んでいます。コモディティ化とは、高付加価値を有していた商品の価値が低下し、一般的な商品になることです。 コモディティ化が進むなかで安定した経営を行うには、いかに自社の商品やサービスを継続利用してもらうかが重要になります。 また、ジムや学習塾などのストック型の商品・サービスは、いかに解約率を下げて継続利用者を維持・確保するかが重要になるため、顧客ロイヤルティ向上が欠かせないということになります。

5.顧客ロイヤルティを高めるメリット

顧客ロイヤルティを高めることで、さまざまなメリットを得られます。顧客ロイヤルティの重要性を把握するためにも、それぞれのメリットを知っておきましょう。

リピート率向上につながる

顧客ロイヤルティを高めることで、リピート率向上につながりやすくなります。 顧客ロイヤルティの高い顧客は、商品そのものに対して愛着や信頼を持っているため、自社商品を選んでくれる可能性が高まります。 同じ企業の同じ商品を繰り返し購入してくれるため、安定的な売上につながります。

単価の向上が見込める

顧客ロイヤルティが高まると、アップセルやクロスセルが見込めるため、顧客1人あたりの購入単価の向上につながります。 同じ企業の関連商品の購入や、高額な商品にアップセルしていただける可能性も高まります。

口コミによる集客効果が期待できる

ロイヤルカスタマーが自社商品についてSNSでの発信や、口コミサイトなどに良い口コミを投稿していただける場合もあります。また、購入に迷っている人に対して商品の良さをアピールしてくれる可能性もあり、新規顧客の獲得につながったり、 ほかの顧客のロイヤルティを高めたりといった効果も期待できるでしょう。

6.顧客ロイヤルティの向上において必要な指標

顧客ロイヤルティの計測はさまざまな指標から導き出す必要があり、主に以下で紹介する4つの指標を用います。

顧客満足度

前述しましたが、顧客満足度とは商品やサービスに対して顧客が満足しているかどうかを示す指標です。顧客満足度が高ければ高いほど、商品やサービスに対する満足度が高いということになります。 顧客満足度が高い顧客は今後ロイヤルカスタマーになる可能性が高いため、顧客満足度を把握することで、将来の優良顧客になり得る期待値の把握が可能です。

NPS®

NPSとは、ネットプロモータースコアを略した言葉です。アンケートの形式で行われるものであり、 顧客ロイヤルティを数値として示す指標として使われています。 NPSでは、商品やサービスに対する満足だけではなく、「この商品やサービスを他の方におすすめしたいか」という質問に回答いただいて、スコア形式で集計・算出します。NPSについては以下で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

LTV

LTVとはライフ・タイムバリューを略した言葉です。1人もしくは1社の顧客が生涯にわたって企業にもたらす利益を意味します。 利用した金額や頻度、継続期間などを分析することで「行動ロイヤルティ」を把握し、顧客ロイヤルティを高めるための施策を検討する指標として活用します。 LTVについては以下で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

継続利用意向

継続利用意向とは、商品やサービスを継続利用したいと考えているかを表す指標です。継続利用意向と顧客満足度は、顧客ロイヤルティを高める施策を検討するための材料として活用できます。たとえば、 顧客満足度は高いにもかかわらず継続利用につながらない場合は、「行動ロイヤルティ」を阻害する何らかの原因があるのではないか… というような仮説を導くことも可能になります。

7.顧客ロイヤルティを高める手順

顧客ロイヤルティを高めるためには、基本的に知っておきたい手順があります。それぞれの内容を解説します。

1.顧客の声を収集・分析する

まずは、顧客の声(VOC)を集めましょう。収集した顧客の声は、NPSや感動指数、再利用意向などの指標を用いて数値化します。できるだけ多くの顧客の声を集めることで、分析データの信頼性は高まりますが、顧客ロイヤルティが高いユーザーと低いユーザーそれぞれの属性や傾向、商品・サービスへの印象や評価、接客体験の評価、ブランドへのイメージなど、 分析目的に応じて必要な情報が明らかになるように注意して収集することが大切です。 VOCの収集や分析については以下で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

2.目標設定を行う

分析結果をもとにして、具体的な目標設定(KPI)を行います。目標を設定する際には、「SMARTの法則」に当てはめて考えると良いでしょう。「SMARTの法則」とは、以下の5つの項目の頭文字を取ったものです。

SMARTの法則
  • Specific(明確性):明確かどうか
  • Measurable(測量可能性):測定可能な数値かどうか
  • Achievable(達成可能性):達成可能な目標かどうか
  • Relevant(関連性):KGIとの関連が適切かどうか
  • Time-bound(期限を定めた):期限を定めているかどうか

これらの5項目に当てはめながら、課題となる要素や指標をどの程度改善するのかを設定します。ただし、 この時点では施策検討までは至っていないので、ここで決めた目標を絶対視するのではなく、施策も考慮した実現可能性を見定めた見直しを適宜行うことも重要です。

3.具体的な施策を検討する

目標設定をもとにして、具体的な施策を検討しましょう。ある百貨店では、ロイヤルカスタマーの情報が店舗間で共有できておらず、具体的な優遇策も十分でないという課題がありました。そこで、ロイヤルカスタマーの情報を百貨店内の店舗で共有し、どの店員でも「おもてなし」しやすい店内環境の形成、ロイヤルカスタマーへの優先販売や店長との食事会の実施など、ユニークな企画を実施し、顧客ロイヤリティを高めることができました。

顧客ロイヤルティを高めるには、カスタマーエクスペリエンス(CX)の改善も重要です。 たとえば、店舗で見た商品をECで購入する際のプロセス、ECで購入した商品に対して店舗でアフターサポートを受ける際のプロセスなどを、よりわかりやすく利用いただけるよう改善するなどの施策を検討しても良いかも知れません。

4.顧客ロイヤルティが下がる原因への対策を検討する

顧客ロイヤルティの維持・向上のためには、顧客ロイヤルティが下がる要因についても事前に把握し、対策を考えておく必要があります。たとえば、 「問い合わせへの回答が遅い」「多様なチャネルがあるが対応しきれていない」など、商品やサービス自体に満足していても、対応への不満があると信頼や愛着は低下してしまいます。

とくに、カスタマーサポート(お電話、メールなどの問合せ対応)は顧客との接点として重要な部分です。適切な対応ができなければ顧客にとってストレスとなり、顧客ロイヤルティが下がってしまうため、要因への対策を事前に検討しておきましょう。

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8.まとめ

顧客ロイヤルティとは顧客が商品やサービスに対して愛着や信頼を感じることです。 顧客ロイヤルティ向上は、リピート率向上や単価アップなど企業にとってメリットが多いため、積極的に取り組むと良いでしょう。

また、顧客ロイヤルティを高めるには、ITツールの活用も効果的です。自社にノウハウや推進するリソースがなく、顧客ロイヤルティ向上に対する取り組みが難しい場合には、SCSKが提供するCXソリューション「altcircle(オルトサークル)」の活用をぜひご検討ください。

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